2007/6/24にetw(川端丸太町、京都)にて行われた『ケンハモナイトvol.8』は無事終了しました。御来場いただいた皆様、出演していただいた各グループの皆様、場所を提供していただいた楽屋関係者の皆様、どうもありがとうございました。以下、簡単ですがレポートです。雰囲気だけでも感じていただければ幸いです。 文:林加奈さん、photo:林加奈さん、やまなかのぶこさん、しみずちかさん、田中清佳さん (etw)
出演 フライヤー (新ウィンドウが開きます) |
apfel(エプフェル)
鈴木ちひろ (鍵ハモ)
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使用された鍵ハモ: |
ボタン式メロディカのビジュアルに惚れたひとたちで結成された、ボタン式メロディカのみの女子四重奏です。メロディカの構成色である赤・緑・白・黒で、衣装や椅子や譜面台を統一しています。簡単な楽譜や決まりごとがあって、アドリブが色々、という曲が中心です。また、オープニングの「ファンファーレ」では、本日の出演者を紹介するMCを入れ、おもちゃ楽器やクラッカーを鳴らして賑々しくしたり、3曲目「ハバネロ」では、なにかしらカミングアウトするコーナーがあったりと、プラスMCや仕掛け、の曲も結構あります。アルボ・ペルトの「PARI INTERVALLO」は、ボタン式メロディカの音色の特性がいかされていました。これからも、ボタン式メロディカの世界を、開拓していくことでしょう。
エプフェルのみなさん。まずは全員Melodica Soprano。 今度は全員Melodica Alto。 交互にSopranoとAltoで並ぶ。見た目になんとも可愛らしい! |
清水正年 (鍵ハモ)
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使用された鍵ハモ: |
2番目は、人形劇団「京芸」の、「しらゆきひめ」上演メンバー4人組による、しらゆき鍵ハモ隊。このひとたちはなんと、たった4人で、人形操作、台詞、装置転換、お客さんとのコミュニケーション、照明転換(ボタン操作)をしつつ、音楽を鍵ハモ生演奏でやってしまう、というとんでもないことをやっているひとたちです。普段、小学校の全校生徒とかを対象に体育館とかでやってるもんだから、鍵ハモの音量や演奏する動きの大きいこと!今日は、鍵ハモを練習するために作った「ソロソロ練習曲(でも、そのまま「しらゆきひめ」のオープニングテーマになっちゃった)」や、しょうぎ作曲(野村誠考案の共同作曲方法)で作った曲「初心(はじめて作ったから)」「9月7日(この日に酔った勢いで作ったから)」や、人形劇「しらゆきひめ」のダイジェスト版をやってくれました。鍵ハモ演奏で踊る、おきさきの人形の動きが、かっこいい! しらゆき鍵ハモ隊のみなさん 人形が踊り出す! とっても楽しそうです |
OORUTAICHI(鍵ハモ、その他)
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使用された鍵ハモ: |
3番目は、OORUTAICHI+Ytamoさんのデュオ。お2人は普段、電子楽器やピアノやおもちゃ楽器など色々な楽器で演奏していますが、この2人が鍵ハモをテーマにしたらどんなことになるのか、ということで出演をお願いしました。鍵ハモのほか、ポータブルキーボード、ウクレレ、声、サンプラー、などで、3つの即興演奏を披露してくれました。すごく脱力してるけど集中もしていて、音に意思が通っていて、とても心地よく、ときにおかしく、しんのある、すごく素敵な即興でした。 OORUTAICHIとYTAMOのお二人 黙々と演奏し続ける 脱力と集中が同居するステージ |
野村誠 (鍵ハモ)
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使用された鍵ハモ: |
4番目は、P-ブロッmini。P-ブロッの2人に赤羽美希さんが加わってのトリオです。P-ブロッのレパートリーから2曲、どちらも、アドリブたっぷり。現代の作曲家による鍵盤ハーモニカのために書かれた曲を紹介するコーナーでは、3人の作曲家の曲を紹介しました。鶴見幸代さんの「おほほ」は、笑っているようなリズムばかりの曲で、かわいい!近藤浩平さんは会場に来てくれていた&なんと今日が誕生日だったので、演奏前に、作曲者の誕生日を祝うハッピーバースデイを演奏し(お客さんまでノリノリで歌ってくれました)、その後作曲者にインタビューをしました。きれいだったり、怪しかったり、演奏の仕方を色々アレンジしがいのある小品3つでした。田中吉史さんの「うろおぼえの旋律とコラール」は難しい曲で、ちょっと気を抜くと演奏が崩壊してしまうので、演奏者は緊張感たっぷり。でも、お客さんは、音のずれなどをリラックスして聞ける曲でした。最後は、3人で作った新曲で、野村誠・赤羽美希が鍵ハモ、林加奈が即興でお話を作りながらおもちゃ楽器を鳴らす曲です。お話のなりゆきで、etw店長の松下さんにも鍵ハモを吹いてもらいました。ちなみに、最初のほうで、鍵ハモの特殊奏法解説もしました。せっかくのケンハモナイトですから。 Pブロッminiのみなさん 即興でお話を作りながらの演奏 譜面に集中して演奏するシーンも |
全員でセッション 出演者全員&お客さんのみなさん
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ラストに、鍵ハモナイト恒例の、お客さんを交えての全員セッション。お客さんで鍵ハモを持ってきてるひとが、随分たくさん。みなさん、やる気だ!今日は、ラヴェルのボレロをやることにしました。ボレロって、メロディーと、刻みと、ベースの3つのパートくらいで(なんちゃって、であれば)できるんですよね。林加奈がひとりずつ、どうぞ、ってな感じで指揮をして、だんだん音が増えていきます。みんな、自分のやりたいパートをやるんだけど、メロディーを覚えてるひとがなかなかあらわれないので、かなり長いことリズムパートしかなくて、それがとてもおかしかったです!野村誠が殆どひとりで(ムートンも少し)メロディーを担当し、しらゆきひめのおきさきの人形がボレロに合わせて踊り、鍵ハモのないお客さんも、手拍子で殆ど全員参加し、林加奈は大暴れで指揮をしていました。結構な長い時間(10分以上)やってましたが、飽きもせず、かなり盛り上がりました! ボレロの説明をする林さん セッション開始。etw店長の松下さんも参加 お客さんも交えて大いに盛り上がる |
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今回はなんと、恐らくケンハモナイト史上初?全出演者12人がみんな鍵ハモを演奏しました。お客さんは、充分たくさん来てくれていたのですが、この日は大雨で、後日「行きたかったけど、大雨に足止めされてどうにもならんかった〜」という声も聞いたので、晴れてたらもっと来てくれてたんだろうな〜、と思いました。鍵ハモをもってきてるひとの割合がかなり多かったので、鍵ハモ愛好家がじわじわ増えていることが感じられますね、ボレロ、めちゃくちゃ盛り上がったし(会場、完全にひとつになってました)。 etwの空間は、音がよく響いて、気持ちがよく、しかも、ごはんもスイーツもとてもおいしいです。ちなみに、この日の1ヶ月半くらい前に、etwでP-ブロッがライブさせてもらっているのですが、店長の松下さんはそのライブのあと、すずきちひろさんに聞いて、メロディカ緑を購入されたそうです。リハーサルのときに、P-ブロッCDに入っている「それぞれの植木鉢」のメロディーを少し吹いてみせてくれました(練習中だそうです。すごく嬉しかったです)。今日は、中林里奈さんに、紙芝居「くまのオッタマ」の絵をいくつか壁に展示してもらい、会場がより華やかになりました。ライブのときに展示もされてるのって、空間がすごくよくなるので、演奏するほうもより気持ちがあがる気がします。それにしても、面白かったです!今日共演した皆様と、遠からず、再び音を合わせられますように。また、ますます新たな出会いが生まれて鍵盤ハーモニカが広がり、更にワクワクした音楽が生まれますように。 ケンハモナイトvol.8の企画を思い切って任せてくださった、坂元一孝さん、夏秋文彦さん、ありがとうございました、これからもよろしくお願いします!ケンハモナイトvol.8を実現するために、色々な方が、教えてくれたり、動いてくれたり、助けてくれました。どうもありがとうございました、これからもよろしくお願いします! 林加奈 東京同様、約一年ぶりの開催となった関西ケンハモナイト。今回も僕は現場に足を運べず、林さんをはじめ参加メンバーの皆さんに企画を丸投げしてしまい大変申し訳ありませんでした。が、むしろその方が良かったんでしょうか(笑)、東京に負けず劣らずの盛り上がりを見せたようで嬉しい限りです。また、単なる音楽イベントにとどめずカナーアンドリーナオッタマゲッタ・中林里奈さんの展覧会や人形劇などビジュアル要素を組み合わせたというのは興味深い試みで、これは林さんならではのアイディアと言えるでしょう。林さん、どうもありがとうございました。今後もよろしくお願いしますね。 しかし手前味噌ですがケンハモナイトはやればやるほど、鍵ハモシーンの奥の深さを思いしらされますね。まだまだたくさんの人達が鍵ハモを使って面白い音楽をやっているんでしょうね。今後もこの調子であちこちの街でやれるようになったら楽しいだろうなぁと思いつつあれこれ思いを巡らせております。今回会えなかったみなさん、また一緒にやりましょう。 『素晴らしき鍵盤ハーモニカの世界』Webマスター 坂元一孝 |
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