素晴らしき鍵盤ハーモニカの世界presents....

ケンハモナイト! vol.2



 2004/2/8にEspeto Brasil(大塚、東京)にて行われた『ケンハモナイトvol.2』は無事終了しました。御来場いただいた皆様、出演していただいた各グループの皆様、手伝ってくれたスタッフの皆様、場所を提供していただいたEspeto Brasilの皆様、どうもありがとうございました。以下、簡単ですがレポートです。雰囲気だけでも感じていただければ幸いです。

文:坂元一孝、photo:夏秋裕美さん



2004年2月8日(日)@Espeto Brasil (大塚、東京)

出演
Uoo Moo
Bossanova Pipianican
松田昌Solo
松本峰明Trio
Pブロッ

ケンハモナイト・フライヤー(jpeg, 184KB)



Uoo Moo

夏秋文彦 (鍵ハモ)
箕輪一広 (Didgeridoo, Percussions)
Yuko  (Percussions)

guest:
金田メロン (Vocal from "tafraf")

---setlist---
1. Serrano
2. 潜
3. BoobukaBoobuka(ゲスト登場のテーマ)
4. リンゴ追分(guest Vocal:金田メロン)
5. ぴあぴあ
6. BigRhythm
7. 今を生きる(独奏)



使用された鍵ハモ:
夏秋文彦:SUZUKI Melodion Pro37 v2

 夏秋文彦さん率いるUoo Mooのステージで今回の幕は開かれました。3rd Album「PooDonBoo」を完成させ、さらに磨きのかかったサウンドを展開していきました。ゲストにはヴォーカル・金田メロンさんが登場、意外な(?)選曲で驚かせてくれました。夏秋氏は今回はSUZUKI Melodion Pro37 v2一本で勝負! 楽器を抱えるように構えるスタイルには鍵ハモへの愛情を感じますね。最後の曲『今を生きる』では独奏で溢れんばかりの美を堪能させてくれました。

KN_uoomoo1
Uoo Moo。左から箕輪さん、夏秋さん、Yukoさん。右端はゲストVocalの金田さん。


KN_uoomoo2
彼等の熱いステージで鍵ハモワールドの扉が開いたのでした。



Bossanova Pipianican

中浩美  (鍵ハモ)
日野雅司 (Guitar)
山形政史 (Percussions)
annabelle (Vocal)

guest:
坂元一孝 (鍵ハモ)

---setlist---
1. Travessia (Milton Nascimento)
2. Yo mama's mambo (Hores Silver)
3. Shaker Song (?)
4. スクエアリバー (中浩美)
5. Os Grilos (Marcos Valle)
6. どんなふうに (曲:東海林修/詞:安井かずみ)



使用された鍵ハモ:
中浩美 :YAMAHA Pianica P-37D エレアコ改造版
    :ZEN-ON Piany 320SHエレアコ改造版
    :SUZUKI Melodion B-24 エレアコ改造版
坂元一孝:HOHNER Melodica Piano 36

 続いての登場は中浩美さん率いるBossanova Pipianican。今回の会場は主に南米音楽を演奏する場所ですが、地の利を活かした(?)のびやかなステージを見せてくれました。中さん使用の楽器は前回からいつの間にか増えていて(笑)、ソプラノ、アルト、バス三種類(全てエレアコ化済!)を使い分け、相変わらずの軽やかなフレージングを聴かせてくれました。今回のゲスト参加は不肖ワタクシ。前回ゲストの松本さんのようにはいかなかったかもしれませんが、ツイン鍵ハモ(中:バス、坂元:アルト)を披露しました。終盤にはヴォーカルのannabelleさん(写真にはありませんが、まるでお人形さんのように綺麗!)も加わり、素敵なヴォーカルを披露してくれました。

KN_pipi1
Bossanova Pipianican。左から中さん、日野さん、山形さん。


KN_pipi2
いつ聴いても爽やかなサウンドです。写真には写りませんでしたが、annabelleさんのヴォーカルも素敵でした。



松田昌Solo

松田昌  (鍵ハモ)

---setlist---
1. メリーさんの羊
2. スターダスト
3. 無伴奏ピアニカのための小品集より
  ・内気なピエロ
  ・楽しいバス旅行
  ・輝けシルバー



使用された鍵ハモ:
松田昌:YAMAHA Pianica P-37D

 前回ケンハモナイトを見て『次回はぜひ!』と言ってくれた松田昌さんは、なんと完全な鍵ハモソロで登場です。どんなステージが見られるのかと期待が高まる中、『メリーさんの羊』で軽くいなし、漫談すれすれのMC(失礼(^^;)と鍵ハモ芸で大いに笑わせておいてから超絶技巧で圧倒するという完璧なステージングを見せてくれました。しかし注目すべきは技術のみにあらず。鍵ハモ音楽のあらゆる可能性を見せつつも、根っこにあったのは松田さんの音楽の暖かさだったような気がします。松田さんはYAMAHA Pianica P-37Dにサックスのストラップをつけ、首から吊って両手で演奏…というスタイルでした。

KN_matsuda1
松田さん。超絶技巧だけに目を奪われてはいけません。歌心に満ちあふれていました。


KN_matsuda2
かつてジミヘンは歯でギターを弾きました。それに対抗したのかどうかはわかりませんが、松田さんは頭で鍵ハモを演奏しました。客席大ウケ。



松本峰明トリオ

松本峰明 (鍵ハモ)
中孝弘  (B.)
大久保明 (Gt.)

---setlist---
1. Alone together
2. My one and only love
3. Billies bounce

使用された鍵ハモ:
YAMAHA Pianica P-37D

 前回、Bossanova Pipianicanのゲストとして参加してくれた松本さん、今回はリーダーとしてセッションを率いての登場です。急遽トリオ編成に変更になりましたが、メンバー間のコンタクトもバッチリ。ステージは一見クール、しかしメンバー同士のインタープレイには熱を感じるという、渋い大人のジャズを聴かせてくれました。松本さんはYAMAHA Pianica P-37Dを使用。

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松本峰明トリオ。左から大久保さん、松本さん、中さん。


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クールに演奏をキメる三人。しかしプレイはどこまでも熱い。



Pブロッ

野村誠  (鍵ハモ)
しばてつ (鍵ハモ)
鈴木潤  (鍵ハモ)
林加奈  (鍵ハモ)

guest:
夏秋文彦 (鍵ハモ)

---setlist---
1. Binaire(しばてつ)
2. 2001年去年の旅(R.シュトラウス/しばてつ編曲)
3. この道(山田耕筰/Pブロッ編曲)
4. FとI(野村誠)
5. おやすみなさいコアラリス(野村誠)

使用された鍵ハモ:
SUZUKI Melodion M-36
SUZUKI Melodion S-32
SUZUKI Melodion B-24
LINKO LP-370 etc...

 最後の登場はPブロッ。スケジュールの都合で残念ながらフル編成ではありませんでしたが、見事なアンサンブルを披露してくれました。演奏もさることながら視覚的にもかなり楽しめますね。今回はケンハモナイトを意識してくれて、奏法の説明や鍵ハモにまつわる裏ワザなども披露してくれました(帰宅後試した方、かなりいるんじゃないでしょうか(^^;)。最後の曲では飛び入りプレイヤーを募集、それに加わったのはUoo Moo夏秋さん。曲名に相応しいナハトムジークになりました。彼等が使用した鍵ハモは多すぎてすべてを確認できませんでしたが、あれだけの数の鍵ハモが置かれているステージというのはなかなか見られないので面白かったですね。

KN_pblot1
Pブロッ。左から鈴木さん、しばさん、林さん、野村さん。


KN_pblot2
飛び入り出演の夏秋さんを加えての鍵ハモ五重奏。美しい!



全員でセッション

出演全グループの鍵ハモプレイヤー
中孝弘 (B.)
Yuko (Percussion)
ポール (鍵ハモ)
坂元一孝 (鍵ハモ)

and お客さんのみなさん

---setlist---
C Jam Blues

 最後に鍵盤ハーモニカプレイヤー全員、さらに楽器を持参してくれたみなさんによる演奏。松田さんの仕切で簡単なレクチャーの後、怒濤の大セッション大会と化したのでした。次々にソロがまわっていきますが、見事に個性溢れるソロが続きます。最後は全員による一斉ブロウで大いに盛り上がる中、ケンハモナイトvol.2は終了しました。

KN2_session1
松田さんの仕切であっという間に演奏の準備は整いました。坂元はさり気なくClaviettaに持ち替えてます。


KN2_session2
鍵ハモ史上に残る? 出演者、お客さん入り乱れての鍵ハモ大セッション!


KN2_session3
今回は楽器持参のお客さんもたくさん来てくれました。お客さんも一緒に吹きまくる!鍵ハモのない方々もシェーカーを振るなどしてセッションに参加してくれました。凄く嬉しい。



KN_uchiage

おまけショット。終演後の打ち上げでの一枚。鍵ハモにまつわる話題が次々と飛び出してくる楽しいひとときになりました。



後記

 何ごとも二回目というのは得てして一回目よりも結果が悪くなることが多いものですが、ケンハモナイトはおかげさまで大盛況の中、無事終了しました。前回同様、今回出演していただいた五組のいずれもスタイルがかぶらないという多種多様なステージをお見せすることができました。前回僕が思っていたことは間違っていなかったわけですが、ここまでバラエティに富んだ内容になるとは予想できませんでした。嬉しい大誤算でした。

 もう一つ嬉しかったこと。今回はお客さんにも鍵ハモを持参してもらい、最後にセッションする計画を立てましたが、何人が楽器を持ってくるか不安でした。しかし、案ずるより産むが易し。鍵ハモのみならずシェーカー等の楽器も出てきて全員で楽しむことができました。恥ずかしがらずに参加してくれたみなさん、ありがとうございます。御一緒できたことを嬉しく思ってます。

 前回お客さんとして見に来た松田さんが今回は参加し、今回の客席には鍵ハモで活動されている方々も多数いらっしゃいました。少なくとも前回よりは鍵ハモコミュニティも広がったんじゃないかと思います。今後もっともっと広がって、東京以外の街で同じようなイベントが催されたり、鍵ハモミュージシャン同士のコラボレーション等が頻繁に起こるようになるとさらに面白いでしょうね。前回は予感でしたが、今回はより確かなものに感じられました。

 今回はゲネプロの段階からそうだったんですが、鍵ハモに関する様々な話題や情報が次々に飛び交う場にもなりました。企画的にも個人的にも非常に楽しかったんですが、これは裏をかえせば鍵ハモ情報がいかに少ないかということでもあります。これはvol.1開催時からあまり変化していません。当サイトの今後の課題ですね。精進します。

 前回同様、今回も名目上は僕が仕切りということになっていますが、たくさんの人達の善意と協力のおかげで実現できました。この場を借りて感謝します。どうもありがとうございました。また一緒に仕事して下さい。

『素晴らしき鍵盤ハーモニカの世界』Webマスター 坂元一孝




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