2003/6/13(金)、Wasted Time(渋谷、東京)にて行われた『ケンハモナイト』は無事終了しました。御来場いただいた皆様、出演していただいた各グループの皆様、場所を提供していただいたWasted Time関係者の皆様、どうもありがとうございました。以下、簡単ですがレポートです。雰囲気だけでも感じていただければ幸いです。 文:坂元一孝、photo:夏秋裕美さん
出演
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中浩美 (鍵ハモ)
guest:
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使用された鍵ハモ: |
最初に登場したのは中浩美さん率いるBossanova Pipianican。この日の東京は非常に蒸し暑かったんですが、それを吹き飛ばす爽やかなステージを繰り広げました。中さんが使用していたのはヤマハ・ピアニカにマイクを内蔵したエレアコ仕様。エフェクターと組み合わせてまろやかな音色を作っていました。終盤にはゲストに松本峰明氏を迎え、美しいツイン鍵ハモを聴かせてくれました。 中浩美さん Bossanova Pipianican。左から日野氏、中さん、山形氏、安達氏
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坂元一孝 (鍵ハモ)
guest:
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使用された鍵ハモ: |
続いて当サイトWebマスターが自ら登場。メロディカソロで演奏した後、懐かしいシーケンスソフト「M」を利用してのインプロヴィゼーションを展開。ランダムにパラメーターを変えてくる「M」のシーケンスに翻弄されつつも、真っ向勝負を挑みました。後半からはゲストに笙奏者の中田太三氏を迎え、さらにランダム度をアップ。坂元が使用していたのはHOHNER Melodica。また終盤には、1967年に作られたウィンドシンセの先駆者的な存在で、世界に500台しかないというElectra Melodicaも使用。 坂元一孝 ゲストの中田氏を迎えて「Solo+」
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夏秋文彦 (鍵ハモ)
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使用された鍵ハモ: |
トリはUoo Moo。多種多様な楽器を組み合わせたそのサウンドは多国籍にして無国籍。夏秋氏の独特な演奏スタイルにも多くの方が見入っていました。夏秋氏が使用していたのは鈴木楽器メロディオンシリーズ。そのうちの一台はマイクを内臓したエレアコ仕様で、エフェクターと組み合わせたサウンドにはジミヘン(Jimi Hendrix)の匂いがしました。また、現在販売停止のために入手困難なMIDIメロディオンSMW-1000も使っていました。 Uoo Moo。左から夏秋氏、yukoさん、箕輪氏 「目からウロコ」ものの夏秋氏のプレイスタイル!
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Uoo Moo with 中浩美、坂元一孝
夏秋文彦 (鍵ハモ)
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そしてUoo Mooに中さん、坂元を加える形で鍵ハモプレイヤー三人による共演。Uoo Mooの曲から一曲演奏し、最後は三人の共通項だったJeff Beck(!)の曲を演奏。お客様方の暖かい拍手の中、無事にケンハモナイトは終了しました。
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夏秋氏の機材。左からSUZUKI Melodion Pro37 v2、SMW-1000用のインターフェース(白い箱)、SUZUKI MIDI Melodion SMW-1000、BOSS SE-70(エフェクター)、SUZUKI Melodion Pro37 v2(記憶違いでなければこちらがエレアコ改造版)。因みにそれぞれに付けられている宅奏用唄口は夏秋氏自身によるオシャレが施されている。ラックにはRoland JV-1080(シンセ音源)がおさめられている。 その右奥にあるのが坂元の機材。Apple PowerBook2400/180とMIDIインターフェース、HOHNER Electra Melodicaが見える。ラックにはRoland JV-1080(シンセ音源)とYAMAHA SPX900(エフェクター)がおさめられている。
中さん愛用のYAMAHA Pianica P-37D。マイクを内臓している他いくつかの興味深い改造を施していますが、それらについては『企業秘密(中さん談)』だそうです。 |
このサイトを立ち上げてもうすぐ四年になります。当初、自分の為の覚え書きのような形で始めたわけですが、同じようなことを考える人達が集まってきたり演奏活動している人達と知り合ったりしているうちに『いつか鍵ハモのイベントやりたいな』と思うようになりました。この日それがついに実現したわけです。こんなに嬉しいことはありません。 出演した3グループの「音楽スタイル・奏法・楽器に対するアプローチ」のいずれも三者三様でしたが、これはジャンルに縛られない楽器である鍵盤ハーモニカのアドバンテージだと僕は思っています。この日出演したグループ以外にも鍵盤ハーモニカをフィーチャーしているグループはたくさんありますが、きっとそれぞれが独自の音楽を聴かせてくれていることでしょう。この楽器の可能性はまだまだあるということです。 これは裏をかえせば、この楽器にはまだ開発の余地があると言うことであり、楽器として市民権を得られていないと言うことでもあります。幸い、会場には鍵ハモやアコーディオンのプレイヤーも少なからずいらっしゃいましたし、楽器メーカーの方、当サイト掲示板に訪れる鍵ハモ好きな方々もいらっしゃいました。鍵ハモに関心を持つ人は決して少なくないはずなんですが、なかなか表に出てこない状況が続く中で、この日のように交流を持つことができたのは何よりの収穫だったと思います。 鍵ハモミュージシャンのみなさんへ。鍵ハモはジャンルを選びません。そして貴方のやりたいことをダイレクトに伝えてくれる奥の深い楽器だと思います。たくさんいい音楽を作っていって下さい。今回のようなイベントがあちこちで行われるようになれば、鍵ハモシーンもより面白くなるでしょう。 楽器メーカーの方々へ。現時点でもアイディア一つで面白いことはできますが、まだまだ改良の余地はあります。メーカー事情もあるでしょうが、プレイヤーを夢中にさせてくれるような、クリエイターの想像力をかきたてるような魅力的なモデルを開発して下さい。それから製造中止になってしまった各モデルについてもぜひ再考をお願いします。MIDIコントローラー、エレクトリックモデル、専用ピックアップなど、欲しがっているミュージシャンは多いと思います。 今回の企画は一応僕の仕切りということになってますが、たくさんの人達のサポート無しには実現できませんでした。最後になりましたが、この場を借りて感謝します。どうもありがとうございました。 『素晴らしき鍵盤ハーモニカの世界』Webマスター 坂元一孝 |
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