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このサイトを立ち上げた頃は鍵盤ハーモニカについて取り上げているサイトを探すのも一苦労でしたが、今は国内でも何人かの方が興味深いサイトを立ち上げてくれていますし、ライヴなどでの演奏に使う方もちらほら見かけるようになりました。ただ、残念ながらと言うべきか、鍵盤ハーモニカの一般的認識は未だに「子供用」「教育用」といったところではないでしょうか。

 そこで鍵盤ハーモニカをより完成されたものにする為に、いくつかのアイディアをこのページでユーザー側の声として提案していこうと思います。一般の方が手軽にできることから楽器メーカーの本格的開発が必要なことまで、思いつくままに書いていこうと思います。「こんなモデルがあったらいいのに」「○○について、こういう方法はどうだろう?」といったアイディアをお持ちの方、気軽にメール掲示板にて提案してみて下さい。このページに反映していきます。(その際名前を出されたくない方はその旨お知らせ下さい。対処します)

 【楽器メーカーや開発関係者の方々へ】「資金援助もしないのに好き勝手なことを」と思われるかもしれませんが、ここに集まってくる意見に耳を傾けてもらいたいです。ここから出てきたアイディアが少しでも楽器に反映されれば嬉しい限りです。



【リード】

 鈴木楽器「Melodion Pro」が画期的だったのは、楽器名に「プロ」を堂々と付けたことだと思います。これによって教育用楽器の枠を出る第一歩が刻まれたんですからね。その後のv2はこれまでの鍵盤楽器のイメージを変えたと言っても過言ではないと思います。

 さて、このプロモデルのウリは独自のリードにあるんですが、これを他のモデルにも応用できないものでしょうか。特に鈴木楽器さんの場合、ソプラノモデル・バスモデルがあるので、プロモデルのソプラノ版やバス版があってもいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか?

* (2002/9/1) ソプラノモデルのリードは高音域では相当薄いらしく、使っているうちにリードが折れたりするそうです。プロモデルのリードはテーパーリードと言って、先に細くなるように加工しているのですが、それをさらに薄くするのは耐久性から行くと難しいのかもしれませんが。




【マウスピース】

 現在鍵盤ハーモニカにはマウスピースとホースの二種類があります。マウスピースの場合楽器までの距離が短い分、空気を送り込みやすいですが鍵盤が見にくくなるので演奏精度に多少影響が出てきます。ホースの場合、鍵盤を普通に見られるので演奏はしやすいですが、個人的にはあのホースがどうにもかっこわるい。また、わりとしっかりと唄口をくわえていないといけないので、演奏に支障が出る可能性もありますよね。

 マウスピースには笛型、トランペット型などいくつかの種類がありますが、ファゴットのマウスピースのような形状の物は作れるんでしょうか? さらにそれがグースネックのように自由な調整がきくものだったらかなり需要はあると思うんですけどいかがでしょうか?

* (2003/1/8) 当サイト内『アイディア募集掲示板』での書き込みに対しての試みとして、HOHNER Melodica piano 36にHOHNER Clavioraのマウスピース(クルークと呼ぶようです)を取り付けた方が現れました。長さの点などで問題があるようですが、見た印象(当サイト内『カスタマイズ』ページを参照の事)では僕が理想とするイメージに非常に近いです。やる気になれば自作も可能ということはわかりましたが、やはり市販された方が手軽でいいですよね。

* (2003/2/16) その後自作に踏み切られました。詳細は『カスタマイズ』ページを参照のこと。

* (2003/1/14) ホースについては、日本教育楽器株式会社から『フリーホース』が発売されています。ホースの構造は『曲がるストロー』の蛇腹部分のような感じです。従来のふにゃふにゃホースよりはしっかりしていて、唄口部分に神経をあまり使わずに済みそうなので、演奏はしやすいんじゃないでしょうか。

* (2003/5/30) 「ファゴットのマウスピースのような形状」のマウスピースを採用した『Vibrandoneon』という楽器がイタリア・VICTORIA ACCORDIONS社で製造・販売されているようです。グースネックのように自在に曲げられるわけではないですが、このような形状をイメージしていたので僕は評価しています。

* (2007/11/5) 楽器フェア2007・鈴木楽器製作所ブースに於いて参考出品として発表された『Stage44』で、ついにグースネック型マウスピースが採用されていました。鈴木楽器社製鍵ハモとの互換性もあるとのことです。正式な発売時期は未定ですし、マウスピースの単品発売があるかどうかもわかりませんが、大いに期待したいところです。




【メンテの簡便性】

 どんな楽器であっても自分の楽器には愛着が湧くものですよね。ところが鍵盤ハーモニカの場合、本格的なメンテナンスを施すにはやっかいなものであり、且つ楽器そのものの値段の安さが災いするのか、調子が悪くなると楽器を買い替えて問題解決する方が多いと思います。しかしそれでは楽器がなんだか可哀想です。一方で一部楽器メーカーにはメンテナンスキットが販売されていたりするわけです。メーカーさんとしても楽器は大切にしてもらいたいわけですよね。

 そこで、各メーカーにはまずメンテナンスに関する情報を出してもらいたいです。はじめはホームページでの紹介でもいいと思うんですが、最終的には楽器のマニュアルに詳細な説明をつけるべきだと思います。

* (2002/10/20追記) 鈴木楽器製作所ホームページのサポートページ内には、メンテも含めたメロディオンに関するQ & Aが掲載されています。お困りの方はまず下記サイトにアクセスしてみましょう。

参考サイト
鈴木楽器製作所
(トップページにリンクしています。そこからサポートページへジャンプして下さい)




【ピッチベンド機能の追加】

 鍵盤ハーモニカに対してピッチベンド機能をつけてもらいたいということは僕のささやかな願いでもあります。音量変化はブレスコントロールによって得られますが、音程に対してはあくまでも鍵盤楽器的であるということが惜しいなぁと思うのです。これが手軽にできるようになったなら、この楽器の可能性はもっと膨らむんじゃないかと思います。

 現在、多くの方が採用していると思われるベンディング方法は「鍵盤を浅く押さえて強く吹くこと」でしょう。この方法によって打鍵している音より半音〜全音低い音を出すことができます。ただ、この「鍵盤を浅く押さえる」というのが曲者で、普通に何かを演奏している最中に狙って浅く押さえるというのは難しいんです(努力が足りないのかもしれませんが、僕は未だにできません)。またリードにもかなりの負担を強いるようです。

 一方ハーモニカにはベンディングが可能なものがありますよね。どういう構造になっているのかわからないんですが、あれを応用するような形で鍵盤ハーモニカに付加することはできないんでしょうか?




【電気回路による増幅とその可能性】(2004/03/06改訂)

 PAの必要のない場所での演奏ではなんら支障のない鍵盤ハーモニカ。しかしひとたびPAが入るとなるとエンジニア泣かせの楽器になってしまいます。楽器のどこを狙ってマイキングすればいいのかが難しいんですね。卓奏の場合は上から鍵盤部を狙えばいいみたいなんですが、立奏の場合は奏者が動いてしまうので思ったように拾えないこともあるでしょうし、マイク位置を常に気にしながらでは演奏に集中しづらいですよね。

 そんなおり、エレクトリック化に挑んだ方々が出てきました。ポール氏(「Sing, R. Sing! The KENBAN-Harmonica Website」ウェブマスター)と水上氏(「昔は良かったね」ウェブマスター)、(watton氏「深大寺しんぷるてくのろじ〜研究所」ウェブマスター)の各氏です。その他にもエレクトリック化している方はいるようなんですが、各氏はそれぞれ御自分のサイトで詳細な記事を紹介してくれています(詳細は「カスタマイズ」ページを参照の事)。エレクトリック化することで、先に書いたようなマイキングの問題からは解放されますよね。各種エフェクターをつなぐことで、幅広い音作りも可能になります。しかし、もともとエレクトリック化を前提に考えられていなかったこの楽器をエレクトリック化することは、別の問題を孕んでいます。

 各氏ともピックアップ型のマイクを使用しているのですが、問題点として楽音以外の音も拾ってしまうこと、ハウリング対策が必要であること、音域全体に満遍なく拾うことが困難であることなどをあげています。また、ポール氏が自身のサイトで触れていますが、自己流の電気改造による感電の危険も考慮しなければなりません。

 ピックアップマイクについては上記の水上氏が自身のサイトで提案していますが、取り付けるマイクを何か別の物に変えることで問題解決するかもしれませんね。コンタクト型のマイクを一ケ所に張り付ける方法では、張った場所から離れた音域になると拾いにくくなるわけですから、鍵盤幅サイズの細長いピックアップがあればいいんでしょうか? 思いつく近い形と言うとギターのブリッジ(って言うんでしたっけ? ヴァイオリンで言うと駒の部分)のところに細長いもの付けたりしますよね? あれのもっと長いヤツをメーカーさんが開発するとか…。

参考サイト
Sing, R. Sing! The KENBAN-Harmonica Website(ポール氏のサイト)
昔はよかったね(水上氏のサイト)
深大寺しんぷるてくのろじ〜研究所(watton氏のサイト)

* (2007/11/5) 楽器フェア2007・鈴木楽器製作所ブースに於いて参考出品として発表された『Stage44』で、ついにライン出力によるエレアコ鍵ハモが実現しました。正式な発売時期は未定ですが、大いに期待したいところです。




【MIDIコントロール機能】

 コンピューターによる音楽制作環境は、今や一個人が自宅で商品レベル並みのCD制作をできるまでに発展してますが、今でも音源などのコントロールにはMIDIが使われています。MIDI規格ができてから20年近く経つため、そろそろ次世代のインターフェースが出てきてもおかしくないのかもしれませんが、少なくとも現時点での各種機器のコントロールをするのに必要なインターフェースであることは確かです。そこで思うのは「鍵盤ハーモニカにMIDI機能は付加できるのか?」ということ。

 但し、生楽器にMIDI機能を付加することはかなりコストがかかるでしょうから、ここでは鍵盤ハーモニカ型のMIDIコントローラーということで話をすすめていきます。既に鍵盤ハーモニカの範疇を超えた話題かもしれませんが、管理人の趣味ということで勘弁して下さい。

 過去には鍵盤ハーモニカ型のMIDIコントローラーが存在してました。カタログページでも紹介している「鈴木楽器/SMW-1000」がそうです。僕はUoo Mooというグループのライヴではじめて原物を見ました。MIDIコントローラーとしては原始的ではありましたが、鍵盤ハーモニカからシンセの音が出るというだけでかなりのインパクトを感じました。製造中止になったということは需要がなかったということなんでしょうけど、これは非常にもったいないと思います。

 一方こちらは特殊な例ですが、Joe Zawinul氏がKORGに特注で作らせた「Pepe」という楽器がありました(確か一台だけだったと思います)。これは今のところ僕が考えている理想的な鍵盤ハーモニカ型MIDIコントローラーの一つと言えます。このモデルは当時のKORGドラムマシンのパッドを鍵盤のように配置したものですが、ここを普通の鍵盤にしたモデルがあったら僕は凄く欲しいです。

KORG Pepeを奏するJoe Zawinul氏

 ここからは僕の勝手な希望ですが、鍵盤ハーモニカ型MIDIコントローラーを作れそうなメーカーをあげてみます。

・鈴木楽器
 電子楽器の開発に関しては未知数だけど、SMW-1000の実績があるのは強い。

・YAMAHA
 CBX-K1(37鍵ミニ鍵盤採用のMIDI入力用キーボード)とWX5(MIDIウィンドコントローラー)のノウハウを活かせば簡単にできるんじゃないだろうか?

・AKAI Professional
 ウィンドシンセのノウハウは豊富ですね。

・KORG
 Pepeをもう一度作ってもらいたいです。希望を込めて。




【本当のプロモデル】

 現在「プロ」の名前を付けた鍵盤ハーモニカはありますが、他の楽器と比べた場合、圧倒的にリーズナブルな値段ですよね。楽器の成り立ちが教育用と言うことを考えれば当然の事なんですが、この楽器をより完成させる為にも、プロの現場使用に十分に応えられるモデルがあってもいいのかなと思います。教育用では無いですから需要は低いかもしれませんが、その楽器をプロが使うことでさらなる改良ができるでしょうし、そこで培った技術は従来のモデルにも応用できるはずです。

 値段で言えば\100,000〜\200,000くらい付いてもいいんじゃないですかね。従来の値段の10倍くらいでしょうか。もちろん機能や表現力など、楽器としての完成度は10倍以上のものでないと意味が無いですけどね。

* (2004/10/05) Accordinaを製造・販売している『la boite d'accordéon』サイトによれば、鍵盤部分をキーボードに差し換えた「Accordina Piano」というモデルが発表されていました。Accordinaの音色は素晴らしいので、このモデルにも期待が持てます。



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